フラを踊る方なら必ず聞いたことがあるであろう名曲「キモ・ヘンダーソン・フラ」をご存じでしょうか?
最近はライアテアやナー・パラパライなどがカバーしてフラダンサーにもとっても人気の高い
ハワイアン・ソング。
アタシはこの曲が大好きです。
この曲は作者のヘレン・デシャ・ビーマーが友人であるジェームズ・ヘンダーソン(キモ・ヘンダーソン。
キモはジェームズにあたるハワイ語)家を訪れた際に、彼から受けた温かいもてなしに感動して
作った曲。
歌詞の中にはその時のキモ・ヘンダーソン家の美しい情景が歌われています。
そしてそんなキモ・ヘンダーソン家は60年以上経つ今も実在し、今にも崩れそうになりながらも
なんとかその形をとどめていると聞き、崩れ落ちる前に訪れてみたいとずっと思っていました。
キモ・ヘンダーソン家はハワイ島ヒロ近郊。
メリーモナークでハワイ島に滞在している際に、幸運にもそのチャンスが巡ってきました。
一緒に滞在していた友人に「どこか行きたい場所ある?」と聞かれ
「キモさんの家に行ってみたい・・・」と。
そこから捜索開始。
キモ家はハワイ島ヒロから少し上ったピイホヌアという土地に建っています。
(それは歌詞の中に出てくるのでわかるのです)
でも情報はそれだけ。ピイホヌアのどこにあるのかはさっぱりわかりません。
とりあえずピイホヌアに行ってみればなんとかなるだろうとホテルを出たところで
なんとラッキーなことにハワイアン・ソングの解説などでご活躍されている鳥山親雄先生に
ばったりお会いしました。
これは聞かない手はないと鳥山先生に「キモさんの家を探しているんです」と
おたずねしたところ行き方を教えて下さいました。
鳥山先生、ありがとう!
これで安心して出発。ヒロの街を北上し、ピイホヌアに到着。
キモ家は住宅街の中にあるとのことでしたが、なかなか見つかりません。
鳥山先生に教えてもらった道順もなんだかうる覚えで不安になってきました。
それにピイホヌアったって広いからねぇ・・・
きっとこの辺だろうというところまで来たもののどうしてもわからず、
この時期にメリモのためにハワイ島入りしている知人などに電話をかけまくって聞いてみますが
みんな知らないようです。
仕方なく、一件の家に「キモさんち知りませんか?」と聞きに行ったところ、
そこの親切な奥様が「私は知らないけど・・・」と電話帳を出してきて、電話帳から
住所を調べようとしてくれましたが、キモさんの家は今はもう誰も住んでいないため
もちろん電話帳になんて載っているわけがありません。
事情を説明してお礼を言って、また自力で探し回りました。
そしてこんなところにたどり着きます。
とっても古い小さな建物。
ピイホヌア会館と書いてあります。
そういえば鳥山先生が道に迷ってわからなくなったらここで聞いてみなさい、と言っていたっけ・・・
と言うわけで、思い切ってドアの隙間から中を覗くと日系人のお年寄りが会合を開いていました。
こんなところに日系人の集落が、と思うと嬉しくなります。
事情を説明するとすぐにキモ家の場所を教えてくれました。
さすがこの曲が出来た時代にすでにこの世に生を受けていた方々です。
キモ家は今はもうゴーストハウスになっていていつ崩れ落ちるかわからない、との事。
今日、訪れる機会に恵まれて本当によかった・・・
ピイホヌア会館の向かいに建っていたバス停。
この古びたバス停に果たして今もバスは停まるんであろうか・・・
そして教えられた場所に辿り着くとそこには本当に廃墟と化したキモ・ヘンダーソン家が建っていました。
歌詞の中に「丘の上のキモ」とあるのですが実際に小高い丘の上にあり、この家は通称「モアニケアラ」と呼ばれています。
近づいてみると今にも崩れ落ちそうなのがよくわかりますが、建物が朽ち果てた今もたくさんの植物が生い茂り、当時の面影を残しています。
横から見たキモ・ヘンダーソン家。
ちなみにこの土地は買い手が見つかり、この建物が完全に崩れ落ちたら土地を整備し、新しい建物が建つそうです。
このまま保存しておきたいけど、ここまで来ると本当に崩壊するのを待つしか方法がないという感じですね・・・
この日はシトシトと雨が降っていました。その雨がまた情感を誘いとても深い感動が心を打ちます。
車の中から家を眺めている時に友人がi-podで「キモ・ヘンダーソン・フラ」をかけてくれました。
目をつむるとその当時の風景が曲の歌詞と共によみがえります。
美しく咲き乱れる花園。
そしてその花の蜜を吸いに来たイイヴィ(鳥)たち。
作者が感動した温かなおもてなし。
きっと当時はどんなにか美しい風景が広がっていたことでしょう。
数十年経った今もキモさんと奥様のレイ・マカニさんの息遣いと優しい心が
まだそこに残っているような気がしました。
いつかこの家が朽ち果てる時が来てもキモさんの心はこのモアニケアラ、美しい小高い丘の
上の家にきっと生き続けることでしょう。
栃木県某リゾート地出身
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