今年の夏の写真で残っているのはクカニロコ、って覚えている方いらっしゃいますでしょうか。ヒーリングスポット、まるで安産の神様のように、日本の観光客の方には紹介されているところですね。で、この場所の写真もあるので、それを紹介しようと下調べしていたら、物騒な伝説が出て来ました。まあ、ハワイの伝説は物騒なものが多いのでびっくりしますが。
で、この二日ほど、その類いの話を読んでいたのですが、それによると、あの辺りには以前タヒチからやって来た人喰い人種の酋長がいたのだと。その酋長はノースショアのモクレイア/ワイアルアにたどり着いたのですが、あまりに頻繁に食用に人をせがむので、人々に追い出されて、クカニロコの山側のヘレマノというところに住んでいたという、何とも?なお話です。
そして、ヘレマノの東はオアフヌイと呼ばれ、島の王様が住んでいたところでした。酋長の名前はローアイカナカ(ハワイ語で人を食べる人)、若い王様の名前は、オアフヌイです。ローアイカナカは、はじめ非常に慎重に王族と接し、その腰の低さを気に入ったオアフヌイはローアイカナカを宴に招きます。ローアイカナカはその宴のお返しとしてオアフヌイを招き、そこで出されたポークに似せた人の肉をオアフヌイは気に入ります。そんなことから、この若い王と人喰い人種の酋長の宴会が続き、人がどんどんいなくなるのです。
住人達はだんだんこの交流を嫌うようになり、村の長や僧侶の懇願で王はローアイカナカから離れるのですが、ある日、王の二人の甥が、彼らの父親が王に頼まれて魚を釣りに行っている間に殺されてしまうのです。そして、それにたいして怒った王の姉の夫(父親)は、王も、自分の妻も、殺して、村人達にも見捨てられたオアフヌイはそのまま石になってしまいます。二人の子供を殺すのに参加した者達もみな石になってしまうのです。そして、その後数百年経っても、その場所は人が住んでいない、とかいつまむと、そんな話です。
で、本当に人喰い人種っていたのかしら???って気になったわけです。そういえば、南太平洋を好んだロバート・スティーブンソンの話にも「カンニバル(人喰い人種)」の話があります。ハワイではこれがジョークになったりもしたようで、それを目当てに観光客が来たりもしたとのことです。最近でもマスコミでこのジョークを言ったタレントがやり玉にあげられているようです。まあ、ハワイにそういう人喰いの習慣などはなかったと言われていますが、19世紀のヨーロッパの人達には、この手の話が好まれたようです。
で、考えてみれば、エジプトや中国などでも、王の墓に犠牲者を葬った歴史もあるし、古いハワイでは戦いのためのヘイアウ(神殿)には犠牲者をまつったりしているのです。その辺りの習慣が人喰い人種、という何ともエキゾチックな話題になって伝えられたのかもしれませんね。どちらにしても、ハワイのヘイアウ、戦いの神様を祭っていたりもしますので、日本の神社仏閣のように「合格祈願」とか「安産祈願」みたいな形で拝むのはどうかと思いますよ。
まあ、私の独断と偏見かもしれませんが。
イオラニ宮殿の日本語ドーセント(解説員)、
を務めています。ハワイの文化や歴史、フラ、メレ(歌)、イオラニ宮殿についての情報をお伝えします!

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